自然妊娠にトライしていくのであれば、まず初めに決めておくべきことがあります。それは…“自然妊娠にトライする期間”です。
●20代の方
婦人科疾患、生理不順などの問題がなく、基礎体温も二層になっているのであれば、まずは1年間トライされてみるといいと思います。スマホアプリや排卵検査薬を使ってみるのも良いかもしれません。週に2~3回の性交渉があるのであれば、そこまでタイミングを気にする必要はありません。様子を見ながら妊娠反応を待ちましょう。
婦人科疾患や生理不順などがある場合はそれらが原因で自然妊娠に至らない場合もあります。一度検査に行かれるか、当院へご相談下さい。
●30~34歳の方
婦人科疾患、生理不順などの問題がなく、基礎体温も二層になっているのであれば、まずは半年間トライされてみるといいと思います。
基礎体温は必ず計るようにして、排卵日のチェックは必須になります。クリニックでのエコー検査で確認されると良いでしょう。
週1回の性交渉、さらに排卵日の前後2日、排卵日当日にタイミングを合わせて半年間続けて妊娠反応を待ちましょう。妊娠反応が出なければ何らかの不妊原因があるかもしれません。不妊専門クリニックか当院へご相談下さい。
●35歳以上の方
35歳以上の方で自然妊娠を望む方は、お身体の状態とは関係なく、より高い確率で妊娠できる方法を選択することが大変重要となりますので、半年間タイミングを合わせて妊娠反応がなければ不妊専門のクリニックか当院へご相談されることをお勧めいたします。
晩婚化が進み、子供を持とうとする女性の年齢が高くなってきた現在の日本では、あまりピンと来ない方もいらっしゃるかと思います。
日本の体外受精・顕微授精に向けた採卵件数は2013年時点で、20年前の12倍以上に推移しており、さらには、日本は体外受精実施件数(体外受精・顕微授精・胚移植を合わせた件数)世界一(60カ国中)なのに対し、その出産率は極めて低い(一回の採卵あたりの出産率に関しては60カ国中最下位)ことが報告されています。体外受精の技術は今や世界最高峰と言われる日本において、この結果が意味するものとは…。
西洋医学を持ってしても現時点ではどうにもできない、“病気ではない老化”こそ、人がまだ治せない、歯が立たないものだからではないでしょうか。
厳しい現実を紹介してしまうようですが、不妊治療が有効な時間は限られています。高度生殖医療へ進み、それでも妊娠に至らない場合、加齢による卵子の質の低下でしょうと指摘されることになります。
ではどうすれば良いのでしょうか。
※ ICMART(国際ART監視機関)2016年発表レポートより
時間が限られているのであれば大切なのは「効率」ということになります。「そのうち妊娠するだろう」と過ごしてしまい、いざ本格的に不妊治療に切り替えようと決心した時に、「妊娠できる卵子がすでに少なくなってしまっている」ということは避けなければなりません。
日本の文化には、自然を尊ぶ考え方がありますので、自然妊娠にこだわる気持ちもよく分かりますが、中には何度タイミングを合わせても自然妊娠が難しい方もいらっしゃいます。
◉一般検査ではわからなかったけど、卵管が詰まっていたり(卵管障害)
◉排卵された卵子を子宮に取り込めない(ピックアップ障害)
◉着床の時期に子宮内膜がフカフカのお布団のように厚くならない(着床障害)
このような場合は、タイミングが合っていたとしても妊娠が困難なケースですので、一旦ご自身のお身体と向き合っていただいてステップアップも含めて再度検討されても良いのではないかと思います。
ですので、必ず自然妊娠へトライする期間を定めておいてください。
なあなあに年月を重ねてしまっている間にも、“病気ではない老化”という西洋医学でも歯が立たない、不妊原因では最も厄介な「卵子の質の低下」が迫ってくるからです。
あなたに合った自然妊娠への近道を見い出すためには、正しい妊娠の知識を得てパワーアップしていただきながら効率よく妊娠しやすい身体に整えることが重要です。
当院では、初回のカウンセリングにしっかり時間をかけて今までの状態をお伺いして、自然妊娠にトライする期間をある程度決めてから、あなたが無事妊娠、出産できるようにトータルサポートさせていただきます。
不妊治療は疑問や不安が次から次とでてくると思います。クリニックでは聞けなかったりすることや施術以外のことでも来院されている患者さんにはお答えしています。お気軽に質問して頂ければと思います。